高橋淳さんはギネス公認の現役最年長パイロットとして知られ、現在は日本飛行連盟の名誉会長を務めています。
90歳を過ぎてもなお現役パイロットとして活躍する高橋淳さんとは、どのような方なのでしょうか?
高橋淳さんのプロフィール
名前:高橋淳(たかはし じゅん)
出身地:東京都
生年月日:1922年10月8日
年齢:94歳(執筆時)
身長:180cm
高橋淳さんは1922年東京都生まれ。
18歳で海軍飛行予科練習生になり、その後「一式陸上攻撃機」のパイロットとして太平洋戦争の激戦を生き抜いてきました。
南方戦線や沖縄方面で、海上スレスレに飛行して敵艦まで1kmの距離に近づき、魚雷を落とすというのが主な任務でした。
もちろん、敵から機関銃の集中砲火を浴びますから、それをかいくぐらなければなりません。
一式陸上攻撃機は防弾設備がなく、スピードも遅い大型機だったため、出撃したうちの半数しか帰還できなかったといいます。
沖縄戦は特にひどかったそうで、何度も出撃しているうちに、所属していた鹿児島の部隊では、最終的には高橋淳さんの機体しか生き残らなかったのだとか。
高橋淳さんは自分が生き残れた理由は「何があろうと生きて帰るという、最後まで諦めない精神力」だったと考えているようです。
高橋淳さんの戦後
高橋淳さんは戦後、大手航空会社から声がかかりますが、パイロットとしてではなく、パーサーとしての採用でした。
そのため、純粋に飛行機を操縦したかった高橋淳さんは、このオファーを断ります。
予科練の後輩たちと日本飛行連盟を設立し、小型飛行機やグライダーの教官や宣伝放送のパイロットとして勤務。
また、赤十字飛行隊として被災地に物資を運ぶ仕事などに携わっていました。
49歳のときに独立し、フリーのパイロットになります。
映画の撮影や地図の写真撮影、飛行機で絵文字を書く広告の仕事、天然記念物のトキを運ぶ仕事など、何でもこなす「空の便利屋」としてのキャリアがスタートしました。
それから40年以上経ち、90歳を超えた現在も、高橋淳さんは現役最年長パイロットとして活躍しています。
パイロット歴は70年を超え、総飛行時間は2万5000時間を超えており、2014年には世界最高齢パイロットとしてギネスにも登録されました。
90歳を過ぎた今も、50種類以上の飛行機を乗りこなし、類まれな飛行技術を持っている高橋淳さんは、「飛行機の神様」として、自衛隊をはじめ、プロアマを問わず、多くの人たちから教えを乞われ続けています。
高橋淳さんによると、いい仕事をするコツは「自分の資質が生きる仕事に就くこと」なのだそうです。
好きであることと、向いていることが揃ってはじめて一流の仕事人になれるとのことです。
どんな仕事が向いているか分からなければ、試しにやってみることだと言います。
「60歳や65歳は小僧」と言う高橋淳さん。
60歳で定年を迎えて、そこから何か始めても、90歳までに30年あるから、いい仕事が出来るようになっているはずだと言います。
常人離れした発想ですが、こういう物の考え方こそが、「飛行機の神様」を神様たらしめる秘訣なのでしょうね。
以上、高橋淳さんについてでした!